今はバリバリ仕事をしている人でも、病気やけがによって働けなくなるリスクが潜んでいます。今回の新型コロナウイルス感染症も例外ではありません。最近では、「就業不能リスク」(就労不能)として幅広く認知されてきています。実際、そのような場合に直面した際、自分や家族の生活にはどのような影響があるのでしょうか?また、そのようなときにどのような備えがあればいいのか?についてもご紹介します。
病気やけがで働けなくなるとどうなる?
働けなくなる状態は大きく分けると3つあります。
- 障害
- 介護
- 就労不能
これらに共通することは、働けなくなることだけではなく、誰かに面倒を見てもらわなければ生活できないような状態であることが挙げられます。当然、仕事ができなくなれば収入が減ります。一方で、治療費や介護費用などの出費が増えるため、家計にとって非常に苦しい状況に陥るでしょう。これは本人だけの話ではなく、介護をする人も介護に時間を取られてしまうため、以前と同じように働くことは難しいかもしれません。その場合、世帯年収が大きく減ってしまう可能性すらあります。
データから考える
介護や就業不能リスクについてデータから考えてみましょう。(公財)生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」を参照します。以下のデータをご覧ください。

このデータからも分かるように、介護や就業不能リスクに対して7割以上の人が不安に感じています。しかし、不安に感じる人が多くいる一方、それらのリスクに対して十分に準備できている人は少ないようです。以下のデータをご覧ください。

やはり、介護・就業不能は死亡・医療に比べると少ないですね。しかし、介護・就業不能は現代のリスクとして少しずつ注目されてきているため、これから大きく数字を伸ばしていく可能性を秘めています。今後、どのようになるか注目ですね!筆者としては、老後の生活に対しての備えが少ない点も気になるところです・・・。
公的保障を有効活用!
介護・就業不能リスクに対し、過度に不安に感じる必要はありません。万が一に備え、以下のような公的保障が用意されていますのでこちらを有効活用しましょう。ただし、公的保障だけで全てをカバーできるわけではないため、不足分については預貯金もしくは民間の生命保険などで備えるのが望ましいです。
傷病手当金
傷病手当金とは、健康保険に加入している場合、業務外の病気やけがで4日以上連続して仕事を休み、給与の支払いがない場合に、4日目から最長で1年6か月にわたって支給される制度です。支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬額の平均額の2/3相当額が支給されます。ざっくりまとめると、今貰っているお給料が2/3に減ります。1/3は収入が減るわけですから、いづれにしても厳しいことは間違いないでしょう。また、ここで注意が必要なのは、一般的に自営業者などの国民健康保険に加入している人は対象外となります。よって、会社員や公務員以上に、自営業者は自助努力が必要です!
障害年金
障害年金とは、国民年金や厚生年金に加入している人が、障害認定日(原則として初診日から1年6か月後)に法令で定める障害状態に該当していると認定された場合に支給される年金です。障害年金には障害基礎年金、障害厚生年金の2種類がありますが、どの障害年金を受け取れるかは加入している年金制度によって異なります。また、障害の程度によって障害等級が異なり、障害年金の額は等級や職業、家族構成などによっても異なります。ざっくりまとめると、上記の傷病手当金に比べると支給額が少ないため、収入面でより厳しい状況になります。
長期間働けない場合、これらのような公的保障はありますが、バリバリ働いてるときに比べ、収入は徐々に減っていきます。長期化するケースほど経済的ダメージが大きくなります。
預貯金もしくは生命保険で備えよう
公的保障だけでは決して十分ではない介護・就業不能リスク。これらに対し、預貯金だけで備えるにはなかなか大変です。現実的には、生命保険で準備するのがいいかと思います。最近では、就業不能保険も各保険会社から販売されています。代表的な会社を挙げるとすればアフラックではないでしょうか。「給与サポート保険」という商品名でCMなどでもよく目にするようになりました。その他、日本生命や三井住友海上あいおい生命などがあります。一般的に、就業不能保険は死亡保障がありません。死亡保障の必要性を感じる方は、生前給付付き(介護・障害保障)の収入保障保険で備えるといいでしょう。