オリックス生命のドル建終身保険Candle(キャンドル)。ドル建終身保険は他社でも販売していますが、中でもオリックス生命のCandle(キャンドル)は解約返戻金の返戻率が魅力的です。最近では、返戻率の高さについて口コミが広がり、学資保険代わりとして契約するパパ・ママが増えているようです。また、教育資金以外を目的とした資産形成でも注目されている商品です。
Candle(キャンドル)の特徴
Candle(キャンドル)は米ドル建てで準備する一生涯保障の死亡保険です。貯蓄機能も備えているため、あわせて将来に向けた資産形成も可能となります。ただし、特別終身保険であるため、一般的な終身保険と比較すると少し変わっています。こちらが保障図です。

一般的な終身保険であれば、契約してすぐに病気やケガが原因で死亡した場合、満額の死亡保険金を受け取ることができます。しかし、Candle(キャンドル)の場合、保険料払込期間中に病気が原因で死亡したとしても、保険金額は削減され、既払込保険料相当額のみを受け取ることになります。
Candle(キャンドル)のメリット・デメリット
Candle(キャンドル)のメリットとデメリットについてまとめました。
Candle(キャンドル)のメリット
まずは、この商品に対して私が感じたメリットをまとめました。これらについて、それぞれ触れていきます。
- 解約返戻金の返戻率が高い
- 前期前納ができる
- 為替手数料が安い
- 予定利率は固定
- 告知がシンプル
- 介護前払特約がある
解約返戻金の返戻率が高い
米ドル建終身保険は他社からも発売されています。その中でもオリックスのCanlle(キャンドル)は返戻率が高いことで有名です。返戻率が高くなる理由について、オリックス生命のパンフレットには3つ挙げられています。
- 米ドルが持つ金利の優位性
- 保険料払込期間中の保障を抑制
- 保険料払込期間中の解約返戻金を抑制
返戻率の違いについて、記事の後半で他社商品との比較・シミュレーションをしています。
前期前納ができる
手元にまとまった資金がある人であれば、こつこつ保険料を支払うよりも、一度に預ける「前期前納」もひとつの手段です。若干ではありますが、返戻率が良くなります。
為替手数料が安い
Candle(キャンドル)は米ドル建の商品であるため、オリックス生命所定の為替レートが適用されます。この所定の為替レートには、オリックス生命が指標とする銀行の為替レートを基準としており、為替手数料が含まれています。TTM(対顧客電信売買相場の仲値)±0.01円です。他社では±0.5円が必要なケースもあるため、非常に低コストです。
予定利率は固定
一般的に、予定利率は「固定型」と「変動型」があります。米ドル建の場合、後者の変動型を採用している保険会社が多いです。そんな中、オリックス生命は固定型の米ドル建終身保険を採用しています。他にも個体型だとソニー生命などがあります。例えば、ソニー生命の場合、予定利率は3%となっています。オリックス生命は予定利率を明確に開示していませんが、巷では3%後半ではないかと言われているようです。
告知がシンプル
いくら保障内容を気に入っても、持病があると保険は加入できないケースがあります。このCandle(キャンドル)では、お身体についての告知が極めてシンプルになっているため、持病がある方でも加入がしやすいことで有名です。告知内容は以下の2つのみ!
- 過去5年以内に、がんまたは上皮内新生物で医師による診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがありますか。(がんとは、癌・白血病・肉腫・骨髄腫・悪性リンパ腫等の悪性新生物をいいます。上皮内新生物には、高度異形成・上皮内がんを含みます)
- いずれかの身体の障害がありますか。<視力・聴力・言語・そしゃく機能の障害><背骨(脊柱)の変形または障害><手・足・指の欠損または機能の障害>
告知により、学資保険などの他の貯蓄型保険に加入できない人たちにとって、救世主ともいえる存在ですね!
介護前払特約がある
介護前払特約とは、主契約の保険料払込期間終了後、かつ、被保険者の年齢が65歳以上で、約款所定の要介護状態に該当したとき、被保険者が指定した保険金額(指定保険金額)からオリックス生命所定の率により死亡保険金の前払となる期間相当の利息を差し引いた金額を受け取ることでできる特約です。約款所定の要介護状態とは、公的介護保険の要介護4・5の状態をさします。
介護が必要になった場合、何かとお金が必要になります。その際に、役立つ機能です。ただし、学資保険代わりであればこの特約にお世話になることはないかもしれませんね。なお、オリックス生命には円建て終身保険『RISE』がありますが、こちらもこの介護前払特約をセットすることが可能です。

Candle(キャンドル)のデメリット
この商品に対して私が感じたデメリットをまとめました。これらについて、それぞれ触れていきます。
- 保険料払込期間中の死亡保障が少ない
- 解約控除により元本割れのリスクがある
- 為替リスクがある
保険料払込期間中の死亡保障が少ない
こちらはメリットでもあり、デメリットでもある部分です。死亡保障が必要な人にとって、Candle(キャンドル)の保障だけでは不十分です。ただし、かけすての定期保険や収入保障保険などで不足分をカバーしていけば過度に心配する必要はないでしょう。
解約控除により元本割れのリスクがある
解約を減額をする場合には、契約日から10年間は、経過期間(保険料を支払った年月数)に応じて、責任準備金から所定の金額が控除されます。要するに、早期解約をした際のペナルティーだと考えればOKです。なお、この控除額については、経過期間などにより異なります。基本的には解約するタイミングが早ければ早いほど控除額は大きくなります。契約したら、暫くは手を付けない方がいいでしょう。
為替リスクがある
Candle(キャンドル)は米ドル建であるため、為替リスクがあります。保険料・保険金・解約返戻金等を円に換算する場合、為替相場の変動による影響を受けます。ただし、保険料の支払いは『円』のみですが、保険金や解約返戻金は『円』または『米ドル』で受け取ることができます。為替の状況が思わしくないタイミングであれば、米ドルで受け取ることも選択肢としてはアリです。その際、ドル口座が必要になります。海外旅行や留学などに米ドルをそのまま持っていくのも手ですね。為替と上手く付き合っていくことで不安は解消できます。

Candle(キャンドル)の口コミや評判
続いて、Candle(キャンドル)に関する実際の口コミや評判についてネット・リアル問わず、まとめました。

女性
保険料負担はできるだけ抑えたい。毎月の保険料が為替によって変動することに少し抵抗がある。

女性
まだ大きな死亡保障は必要ないので、貯蓄を重視したい私には理想的な商品。

男性
学資保険はあまり増えないらしいので、この商品で代用したほうが良いかも。

独身
子供が独立し、自分の老後が気になってきた。円建てよりも増えることは分かったけど、為替リスクがどうしても気になる。

男性
持病があっても加入しやすい点は助かる。返戻率も魅力的。
初めての外貨建保険であれば不安に感じて当然です。そういった不安をとことん解消してくれる生保募集人から加入しましょう。ただ『増える』などと、良い事しか言わない人からは絶対に加入しないように!
Candle(キャンドル)の比較・シミュレーション
Candle(キャンドル)の返戻率が他社の米ドル建とどの程度違うのでしょうか。参考までに、比較・シミュレーションしたものをまとめました。保険料は児童手当の活用を想定し、毎月15,000円程度の支払いになるように設定しています。
<30歳男性、保険期間:終身、保険料払込期間:10年>
保険会社 | 商品名 | 保険金額 | 保険料 | 返戻率(18年目) |
オリックス生命 | Candle | 43,000ドル | 140.78ドル | 118.6% |
メットライフ生命 | ドルスマートS | 43,000ドル | 139.62ドル | 114.0% |
マニュライフ生命 | こだわり外貨終身 | 28,000ドル | 142.48ドル | 98.7% |
<30歳女性、保険期間:終身、保険料払込期間:10年>
保険会社 | 商品名 | 保険金額 | 保険料 | 返戻率(18年目) |
オリックス生命 | Candle | 48,000ドル | 140.54ドル | 117.5% |
メットライフ生命 | ドルスマートS | 50,000ドル | 141.65ドル | 111.9% |
マニュライフ生命 | こだわり外貨終身 | 29,000ドル | 140.14ドル | 98.8% |
メットライフ生命とマニュライフ生命は変動利率型のため、それぞれ最低保証である利率でシミュレーションしています。これらの変動商品の場合、状況次第では上記の内容以上に返戻率が良くなる可能性を秘めています。
Candle(キャンドル)は固定利率ですが、これほどの返戻率があるなんて嬉しいですね。一昔前のソニー生命の学資保険がこれくらくらいの水準でした。最近の学資保険についても参考までにシミュレーションものをご紹介します。保障内容などの詳細については省略しますので、ご了承ください。
<契約者:30歳男性、被保険者:0歳男性>
保険会社 | 商品名 | 保険金額 | 保険料 | 返戻率 |
ソニー生命 | 学資保険Ⅱ型 | 190万 | 15,295円 | 103.5% |
富国生命 | みらいのつばさJ型 | 100万 | 14,354円 | 105.5% |
<契約者:30歳女性、被保険者:0歳男性>
保険会社 | 商品名 | 保険金額 | 保険料 | 返戻率 |
ソニー生命 | 学資保険Ⅱ型 | 190万 | 15,276円 | 103.6% |
富国生命 | みらいのつばさJ型 | 100万 | 14,327円 | 105.7% |
いかがででしょうか?お金を増やためには『時間』と『金利』を味方につけることが重要です。しかし、学資保険の結果を見ると20年近く預けても増えるお金はごく僅かです。私は学資保険に加入していません。せっかく長い時間かけてお金を増やすのであれば少しでも効率の良い商品で代用したほうがいいと考えているからです。ただし、強制的にお金を貯める仕組みを作りたい人にとっては学資保険もアリかもしれませんね。
学資保険代わりとしてはアリなのか?
Candle(キャンドル)は保険料払込期間中に万が一があった場合、保険料払込相当額しか受け取れません。一方で、学資保険は万が一があった場合、残りの保険料払込期間は支払い免除となり将来的には満額の満期金を受け取ることができます。この点は学資保険が優れています。ただし、上記のシミュレーションからもお分かりいただけるように最近の学資保険は返戻率があまり良くありません。その点、Candle(キャンドル)は学資保険以上の返戻率が期待できます。ここはやはり魅力的ですね!他の保険でしっかりと家庭のリスクをカバーできているのであれば、Candle(キャンドル)のデメリットを十分カバーすることが可能です。そこまで対策した上で、学資保険代わりとして契約するのであれば選択肢として十分アリだと思います!
まとめ
Candle(キャンドル)は、一生涯の死亡保障と貯蓄機能が合理的に準備できる米ドル建終身保険です。世界の基軸通貨である米ドルを味方につけることで日本円にはない金利の優位性を活かし、高い返戻率が実現しています。ただし、米ドル建である以上は為替リスクが当然あります。為替が円安傾向になった時には円換算保険料の負担が増えます。そのあたりも想定して、無理のない範囲で契約することをおススメします!
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